騒動の中でも内村は不動 状態万全「リオ五輪前に戻った」 騒動質問は禁止
暴力、パワハラ問題に揺れる体操の全日本シニア選手権(15日開幕)の有力選手記者会見が14日、試合会場の北九州市立体育館で行われた。10月開幕の世界選手権(カタール、ドーハ)に向けた調整で出場する男子のエース、内村航平(29)=リンガーハット=は、軽めに汗を流した。
栄華を極めた体操ニッポンで勃発した泥沼のゴタゴタは、一向に収束の気配は見えない。無期限の登録抹消処分を受けた速見佑斗元コーチから暴力を受けたリオデジャネイロ五輪代表の宮川紗江が、コーチの暴力を許容した一方で、日本協会の塚原光男副会長、千恵子女子強化本部長という夫妻からのパワハラを告発したことで、事態は一気に混沌。夫妻は騒動の裏に、体操界の権力闘争の存在を明かし、社会問題化している。
ただ、喧噪の中でも内村は順調に調整を積んできた。「Dスコア(難度点)はNHK杯よりもかなり上げた。だいぶ体の状態もいい。リオ五輪前の状態に戻ってきた」と、手応えを口にした。跳馬ではNHK杯までのシューフェルトからヨー2にするなど、世界選手権に向けて勝負の構成をくみ上げてきた。「モチベーションは勝手に上がってきた」という内村。会見での質問は大会と世界選手権に向けてのものに限られたため、騒動にふれることはなかったが、盤石の演技で体操界に漂うよどんだ空気を振り払い、世界へと飛び立つ。