桃田賢斗が4強! ロンドン金のレジェンドを初撃破「少し寂しさがあった」
「バドミントン・ジャパン・オープン」(14日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
各種目準々決勝が行われ、男子シングルスは世界選手権金メダルの桃田賢斗(24)=NTT東日本=が、北京、ロンドン五輪金メダルの林丹(34)=中国=を2-0で下し、準決勝に進んだ。女子シングルスは奥原希望(日本ユニシス)、大堀彩(トナミ運輸)が4強入りし、山口茜(再春館製薬所)は敗退。女子ダブルスは福島由紀、広田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)が4強入りしたが、世界王者の永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)は敗退した。
少年期から憧れてきたヒーローに完勝した桃田は、小さくガッツポーズした後ふと天井を見上げた。「(林丹に)すごく勉強させてもらってきたし、憧れの選手に勝って『やってやったぞ』というよりは少し寂しさがあった」。3年ぶりの対戦で初勝利を挙げた喜びは、迫りくる世代交代という感傷も伴った。
現役王者の真価を示すように自在なショットとフットワークで試合を支配した。一方、10月で35歳になる元五輪王者は巧みなショットで応戦しつつもスピードについてこられない。「林丹選手は前の試合の疲労もあった」とおもんばかったが、残酷な年月の流れは大差となって表れた。
今年初勝利を挙げた五輪3大会連続銀メダルのリー・チョンウェイ(マレーシア)に続き、ついに2大ヒーローを撃破した。「次は自分がやらなきゃという気持ちが芽生えてきている。レジェンド選手に憧れているままじゃいられない」。寂しさを抱えつつも今度は自分が誰かのヒーローになる番。新たなテーマを背負い、大会初優勝へ突き進む。