桃田賢斗 初優勝に王手 最高峰のラリー展開 日本のエースが世界ランク1位を撃破
「バドミントン・ジャパン・オープン」(15日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
各種目準決勝が行われ、男子シングルスは世界選手権覇者の桃田賢斗(24)=NTT東日本=が世界ランク1位のビクトル・アクセルセン(デンマーク)に2-0で完勝し、初優勝に王手をかけた。女子シングルスは前年世界女王の奥原希望(23)=日本ユニシス=が、大堀彩(トナミ運輸)との日本人対決を2-0で制し、3年ぶり2度目の大会制覇に王手。女子ダブルスは世界ランク1位の福島由紀、広田彩花組(岐阜トリッキーパンダース)が初の決勝進出を決めた。
初優勝に王手をかけた桃田だったが、結果以上に求めるものがある。「コートでの立ち居振る舞いだったり、1球への執着心だったり、勝ち負けよりも成長した自分を見てもらいたい」。高校2年から出場し、謹慎期間も経て3年ぶりに出場した今大会。世界王者にふさわしい姿を観客の目に焼き付けることが最大の目標だ。
最強の刺客を撃破した。アクセルセンと最高峰のラリーを打ち合い、第1ゲームは一時リードされたものの逆転勝利。14年から7連勝中と相性がいいとはいえ、相手は世界ランク1位。代表復帰したばかりの今年上半期に対戦したときは「勝てたらラッキー」と胸を借りたが、今は王者として研究され、常に優勝本命視される。「皆さんに『勝てるだろう』という空気を出されて苦しい」とエースの重圧ものぞかせた。
ライバルから“桃田包囲網”が形成される中、順当に決勝まで駒を進めた。「相手の研究を逆手に取れるくらいレベルアップできればいい」。コート内外で王者の風格を備えつつある。