豊ノ島、全勝対決敗れ、連勝は4で止まる「勝って昇進を確実にしたい」と切り替える
「大相撲秋場所・9日目」(17日、両国国技館)
元関脇で西幕下筆頭の豊ノ島(35)=時津風=が極芯道(錦戸)との全勝対決に敗れ、連勝は4で止まった。立ち合い左が取れず、中に潜れない。組んでじっと耐え、勝機をうかがうが、長い相撲に体力は削られた。最後は押し込まれ土俵外に飛ばされた。
「向こうの相撲。気付いたら長くなっていた。苦手だな。足はパンパン。一番で筋肉痛。体中が痛い」と疲労こんぱいだった。
幕内だった16年名古屋場所前に左アキレス腱(けん)を断裂。2場所連続全休し同九州場所で十両からも陥落した。そこから度重なるケガもあり、12場所連続で幕下生活が続いている。
前戦の四番相撲で十両常幸龍(木瀬)を取り直しの末、上手投げで破り、勝ち越し来場所、13場所ぶりの関取復帰を有力とし花道で感極まって号泣した。
まだ十両返り咲きが決まったわけではない。家では夫人から「気が早い」と叱咤(しった)された。この日、敗れ夫人の言葉が思い浮かんだか「きょうも怒られるかもしれない。『だから言ったでしょ』って」と苦笑い。
「勝って昇進を確実なものにしたい」と気持ちを切り替えた。