白鵬 12連勝で単独トップ死守 稀勢の里との対決“特別な日”に「楽しみだね」
「大相撲秋場所・12日目」(20日、両国国技館)
左大胸筋負傷などで8場所連続休場から進退を懸ける横綱稀勢の里が関脇御嶽海を寄り切って9勝目(3敗)を挙げた。先場所優勝した若武者の攻めを受け切り、盤石の左四つで貫禄相撲。13日目は横綱昇進後初めて横綱白鵬と激突し、引退危機脱出へ安全圏となる2桁勝利を狙う。白鵬は栃ノ心をすくい投げで退け、初日から12連勝で単独トップ死守。横綱鶴竜は大関高安に屈し2敗に後退。1敗が消え、2敗で鶴竜、高安、大関豪栄道が追う。
いよいよライバルを迎え撃つ。白鵬ははやる気持ちを抑えるようにゆっくりと「楽しみだね」。普段は相撲に対して「楽しみ」という表現を使わないが「明日は特別。この日を待っていた?まあ、そういったところだね」とクールに話した。
休場明けの場所にもかかわらず、日増しに調子を上げ、相撲勘も研ぎ澄まされてきた。この日は前日鶴竜をつり出した栃ノ心が相手も、立ち合い両脇を締めてもろ差しを狙い、左上手を許した瞬間、右に開いてのすくい投げを決めた。
「(栃ノ心は)手足が長いね。でも、上手が深かった分、すぐに対応できた。流れがよかったし、判断もよかったかな」
賜杯争いでは鶴竜が高安に負け、1敗が消えた。単独首位の幕内通算勝ち星数もこの日で998勝となり、大台1000勝へマジック2となった。帰り際、報道陣から「稀勢の里に勝っての優勝にこそ価値があるか?」と問われると「そうなるかな」と不敵に笑って迎えの車に乗り込んだ。