稀勢の里ショック 白鵬戦見せ場なし…八角理事長「横綱の気力の差」
「大相撲秋場所・13日目」(21日、両国国技館)
単独トップの横綱白鵬が、8場所連続休場明けの横綱稀勢の里との「横綱初対決」を寄り切りで制し、全勝を守る13勝目を挙げた。敗れた稀勢の里は4敗となり、14日目は鶴竜との横綱対決に臨む。
見せ場なく土俵を割った稀勢の里は半笑いを浮かべ、ぼう然とした。圧倒的な「稀勢の里、頑張れ」コールを受けながらも白鵬に力の差をまざまざと見せつけられた。支度部屋では横綱初対決の意識を問われて無言。その後も上の空。何度も首をかしげ、ショックをあらわにした。
8場所連続休場明け。進退を懸けた今場所は優勝争いより15日間、取り切ることが最優先課題。初日からギリギリの勝負を制して勝ち越し、前日は成長株の関脇御嶽海を盤石の左四つで完封し9勝目をもぎ取った。
宿敵を相手に2桁勝利を挙げれば引退危機脱出は大きく近づいていた。しかし全勝で単独トップを走る相手の厳しい攻めに何もできず4敗目。八角理事長(元横綱北勝海)は「稀勢の里は最初から攻められている。白鵬は厳しかった。優勝争いをしている横綱と、そうじゃない横綱の気力の差」と両者に開く差を指摘した。
14日目は鶴竜が相手。千秋楽は豪栄道が予想される。相撲人生を左右する残り2日、最後の気力を振り絞るのみだ。