白鵬、幕内1000勝&41度目優勝W王手 横綱初対決!稀勢の里を圧倒
「大相撲秋場所・13日目」(21日、両国国技館)
単独トップの横綱白鵬が、8場所連続休場明けの横綱稀勢の里との「横綱初対決」を寄り切りで制し、全勝を守る13勝目を挙げた。14日目に2敗の大関豪栄道に勝てば、史上初の幕内1000勝を達成すると同時に、自身の史上最多を更新する41度目の優勝が決まる。敗れた稀勢の里は4敗となり、14日目は鶴竜との横綱対決に臨む。
相撲ファンが待ちに待った夢の一番でも、やはり白鵬の強さが際立った。60度目の幕内対戦にして初めて実現した稀勢の里との横綱対決。国技館が今場所一番の大盛り上がりを見せる中、「いい緊張感で臨んだ。(自身が)チャレンジャーという感じだった」と白鵬。立ち合いで右から張ると、すぐに左を差した。
最後の対戦となった17年初場所でも同じ形になった。しかし、土俵際まで寄ったところですくい投げをくらって逆転負けを喫している。「前回それで負けているので(同じ形で)もう一回チャレンジした」。今度は万全の体勢で何もさせず、貫禄を見せつけた。
因縁のライバルだ。初対戦は幕下時代の03年秋場所。15年前の同じ13日目にぶつかり、白鵬が切り返しで勝っている。幕内ではこれで44勝16敗と圧倒しているが、現役では唯一2桁黒星を喫する相手。白鵬がこれまで2桁黒星を喫した相手は稀勢の里を含めて朝青龍、琴欧洲、日馬富士の4人しかいない。
しかし、両者は1年半以上にわたって“すれ違い”続けていた。稀勢の里が新横綱優勝を果たした昨年春場所は白鵬が途中休場。同夏場所以降は稀勢の里が8場所連続で休場したため横綱同士の“夢カード”は9場所実現していなかった。
今場所に入ってからも常に気にする存在だった。稀勢の里が初日を飾ると「しびれたというか、感動した」。勝ち越しを決めると「安心した」と我がことのように喜んだ。そして、止まった時計は動きだした。久々の大一番が終わると、ぽんと相手の背中をたたいた。「ここまでよく戦ったと思いますよ」。勝負の土俵に戻ってきた好敵手をねぎらった。
そして自身の大記録も目前だ。14日目には前人未到の幕内1000勝と同時に41度目の賜杯が懸かる。報道陣からそれを聞いた横綱は「そうですか。がんばります」と淡々と答えただけ。それでも、その表情は言外にみなぎる自信と自負にあふれていた。