朝阪神“虎党”父の前で5勝目 六甲おろしを「全力で歌います」
「大相撲秋場所・千秋楽」(23日、両国国技館)
大阪出身で阪神タイガースファンであることから、しこ名を春場所前に改名した西序ノ口4枚目の朝阪神(18)=高砂=が、序二段の朱鷺(立浪)を押し出して5勝目(2敗)を挙げた。
2度目の立ち合いで力強くぶつかると、いなそうとする相手をよく見ながら一気に押し込んだ。最後は前のめりに手を突いたが、先に相手が土俵を割っていた。
17年夏場所以来、自己最多に並ぶ5勝目で、改名後初の“貯金3”で場所を終えた。「1年ぶりですね。(すでに)勝ち越していたので気持ちが楽に取れました」と満面の笑みを浮かべた。
この日は、同じく阪神ファンである父が今場所初めて大阪から観戦しに来ていた。前日会った際には「相手は小さいから変化もある。勝ってくれよ」とハッパをかけられていたが、その通りの相撲を取った。「いいところを見せられたのでよかったです」とほおを緩ませた。
改名後は3場所連続で3勝4敗とあと一歩勝ちきれず、序二段から序ノ口に転落。部屋からは再改名を勧める声も上がっていたが、勝ち越したことで「(危機を)乗り越えました」。勝ち越せば部屋の千秋楽パーティーで歌うと公言していた六甲おろしもようやく日の目を浴びそうで、「全力で歌います」と気合を入れた。
来場所に向けては「足腰と体幹を鍛えて、序二段でも勝ち越して、また改名と言われないようにしたい」と成長を誓った。