V41の白鵬が「39回賜杯を抱いた」表彰なかった2回に見る優勝への思い

 支度部屋で後輩力士の(左から)石浦、魁聖、旭秀鵬、炎鵬から41回目の優勝を祝福される白鵬(撮影・開出牧)
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 「大相撲秋場所・千秋楽」(23日、両国国技館)

 14日目に41回目の優勝を決めていた横綱白鵬(宮城野)が鶴竜(井筒)を送り出し、昨年の夏場所以来となる14度目の全勝を決めた。恒例の館内インタビューでは「天皇賜杯、39回抱いたことは光栄に思います」と優勝回数から2回少ない数字を口にした。ここに賜杯を受けることへの白鵬の強い思いが表れている。

 白鵬は2010年の名古屋場所と、2011年の5月に開催された技量審査場所で天皇賜杯を受け取れなかった。10年名古屋場所は白鵬が初の3場所連続全勝優勝を達成したが、野球賭博問題などの不祥事を考慮し、天皇賜杯などの外部表彰を相撲協会が辞退した。涙も見せていた白鵬は「賜杯だけはいただきたかった」と無念さを口にしていた。

 その後、同年の8月3日、天皇陛下のお言葉を記述された形で、日本相撲協会の村山弘義理事長代行(当時)に届けられた。ねぎらいと祝辞が主な内容で、白鵬は「これ以上のものはないと思うので、心から喜んでおります。光栄でございます」と恐縮していた。

 11年5月の技量審査場所は同年2月に発覚した八百長問題を受けて開催された。直前の春場所は中止され、夏場所は通常の興行としての開催ではなく、力士の技量を審査するための場所として無料公開で行われた。この場所を13勝2敗で制し、7連覇を達成した白鵬は「土俵で失った信頼は土俵で取り戻す」との思いを口にしていた。

 不祥事に揺れる中も土俵を支え、63連勝も達成。良い時も、悪い時もあった。そして41回目の優勝を果たした今場所。若き横綱は33歳となり、横綱として800勝、幕内通算白星も1000勝を超えた。

 「19歳から積み上げた白星が1000勝。そして、22歳から白星を積み上げてきた横綱800勝。場所前から目標を立てましたけど、こんなに早く達成することが…けがもありましたから。信じられないです。最高です」と万感の思いを口にすると同時に、次の目標を尋ねられても「次はどうこうというより、平成最後の秋場所、全勝で。そして天皇賜杯、39回抱いたことは光栄に思います」と控え目に答えていた。

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