初出場の藤原が銀 20歳の新鋭奮闘「来年は世界一」

 「柔道・世界選手権」(23日、バクー)

 男子81キロ級で初出場の藤原崇太郎(20)=日体大=は5試合を勝ち上がって臨んだ決勝で世界ランキング1位のサイード・モラエイ(イラン)に延長の末に一本負けを喫し、銀メダルだった。女子63キロ級で2014年、15年大会銅メダルでリオデジャネイロ五輪代表の田代未来(24)=コマツ=も決勝で昨年女王のクラリス・アグベニェヌ(フランス)に延長の末、一本負けで銀メダル。日本は今大会初めて金メダルなしとなった。

 20歳の新鋭が奮闘した。日本男子最年少の藤原は初出場ながら、男子81キロ級の屈強な海外勢を次々とねじ伏せた。「恐れずに、がんがん前に出る」。威勢の良さに安定感も備え、敗れはしたが決勝の延長まで闘い抜いた。

 立ち技も寝技も自在に繰り出し、迎えたレセルとの準決勝。もつれた延長では、ともえ投げで奪った技ありの判定がすぐに取り消される一幕も。だが表情を崩すことなく、その約30秒後に支え釣り込み足で一本勝ちした。スタミナも抜群だ。

 中学、高校で日本一になったエリートだ。日本男子の井上監督が「どんな大会だろうが動じない」と、ひそかに注目してきた成長株は、「簡単に優勝できるものではなかった。質の高い世界一の稽古をして、来年は絶対に世界一になる」とさらなる飛躍を誓った。

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