新井千鶴 2連覇 女王の座を守り抜いた「東京五輪で一番欲しいものを」
「柔道・世界選手権」(24日、バクー)
男女各1階級が行われ、女子70キロ級で新井千鶴(24)=三井住友海上=が決勝でマリエーブ・ガイー(フランス)に一本勝ちし、2連覇を果たした。同級の日本勢による2連覇は隔年開催だった01、03年の上野雅恵以来で15年ぶり。女子70キロ級の大野陽子(コマツ)、男子90キロ級の長沢憲大(パーク24)はともに3位決定戦を制し、銅メダルを獲得。日本は男女計10階級で全選手が表彰台に立ち、金5、銀5、銅3個のメダルを獲得している。
真価を証明した。昨年の初優勝以降、国内外で4大会続けて優勝を逃した新井。威力抜群の投げを警戒される中、女王の座を守り抜いた。「勝ち切れずに悔しい思いばかりしていたので、本当にうれしい」。重圧を背負って勝ち抜き、感極まった。
準々決勝はリオデジャネイロ五輪2位のアルベアルを力強く投げ、昨年の決勝を争ったペレスとの準決勝は内股から大内刈りの鮮やかな連係で一本勝ちした。先手を取られた決勝も焦らず反撃、中盤すぎに仕留めた。
この階級の日本勢では、自身を見いだした所属先の先輩、上野雅恵が03年に達成して以来の2連覇。我慢強く攻撃の幅を広げてきた大器は「東京五輪で一番欲しいものを手に入れるまで頑張りたい」と次の栄冠に目を向けた。