相撲協会、貴乃花親方への圧力を否定「事実も一切ない」と芝田山広報部長
貴乃花親方(元横綱)が25日、会見を開き日本相撲協会からの退職を表明したことを受け、同協会を代表して芝田山広報部長(元横綱大乃国)が報道陣の取材に応じた。貴乃花親方が会見で、3月に提出し、のちに取り下げた「告発状」の根拠が事実無根であることを認めないと一門に入れないと協会側から要請されたと主張していたことについて反論。「告発状が事実無根であることを認めないと一門には入れない、というわけではありませんし、そういったことを言って貴乃花親方に圧力をかけた事実はありません」と断言した。
一門に所属しない親方が部屋の運営ができなくなると言われたとも貴乃花親方は発言していたが、「そのような事実も一切ない」とした。ただし、7月の理事会で、全親方が協会内に5つある一門のいずれかに所属するようにすると決定したことは発表した。
これは一門に対して支給する運営補助金を無所属の親方に支給すると「透明化が難しくなる」という理由からとした。また組織ガバナンスの一翼を一門に担ってもらうために、「協会と各部屋をつなぐ機関」と位置づけ、協会全体のガバナンス強化につなげる意図があったとした。
9月27日に開かれる理事会の時点で、所属一門が未定の親方がいた場合は、その日の理事会で協議する予定だったとした。その際の対応としては、「もう一度、期間をとって一門への所属を調整するというものであった」とした。その上で、「告発状が事実無根であることを認めないと一門に入れないというわけではありませんし、そうしたことを言って貴乃花親方に圧力をかけた事実はありません」とした。
また、貴乃花親方が提出した「引退届」については、正確には「退職届」が必要だとして受理していないとも説明した。いずれにしても、協会からの退職を希望する場合は退職届を提出してもらう必要があるとした。所属力士らの千賀ノ浦部屋への転属願いについても、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)の署名・捺印がなかったとして、書類に不備があることから受理していないとした。