「柔道・世界選手権」（２５日、バクー）

　男女各１階級が行われ、女子７８キロ級で初出場の浜田尚里（２８）＝自衛隊＝は決勝で世界ランキング１位のフーシェ・ステーンホイス（オランダ）に指導３による反則勝ちを収めて金メダル。日本女子は６階級を終えて４個目の金メダルを獲得している。

　２８歳の誕生日に臨んだ大舞台。浜田は必殺の寝技を次々に決めると、準決勝ではフェルケルクを大内刈りで倒した。決勝では世界ランク１位のステーンホイスに一歩も引かず９分超の熱戦を制した。「一年一年、どんどん強くなっている」と手応えを確信に変えた。

　鹿児島県出身で、中学までは無名。鹿児島南高入学後に寝技に開眼し、全国高校総体で２位に入るなど急成長した。寝技で知られた元世界王者、柏崎克彦氏の映像を見ているうちに「簡単に相手を返せるようになった」とあっけらかんと話す。

　山梨学院大４年時にはロシア生まれの格闘技サンボに挑戦。関節技の幅を広げた。サンボの世界選手権とユニバーシアードを制した異色の実績を誇る。柔道では昨年から国際大会で頭角を現し、一気に頂点に立った。