【記者の目】貴乃花親方、審判部内で孤立…一門も拒否反応 受け入れ先なかった

 会見する貴乃花親方=都内(撮影・西岡正)
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 大相撲の貴乃花親方(46)=元横綱=が25日、日本相撲協会に「引退届」を提出した。同日、都内で会見し、引退理由については3月に内閣府に提出した告発状を巡り、協会から事実無根であると認めるよう圧力を受けたこととした。ただ協会は、貴乃花親方が提出したのは引退届で、親方が辞める場合に必要な協会の「退職届」ではなかったため受理せず。圧力をかけた事実もないと否定した。

  ◇  ◇

 8月7日に協会から届いた告発状に関する文書の詳細な説明を求められると、貴乃花親方は言葉に詰まり、代理人の弁護士を頼った。その後も事実関係の食い違いがあり、誰にいつ言われたかなど、最後は弁護士が記者の質疑に応じた。

 引退理由の発端となった告発状。事実無根と認めろと圧力を受けたとのことだが、告発状はすでに取り下げている。「内容は事実」との強弁は今さら感がある。

 さらに一門に所属しなければ部屋を続けられないことを正式に通達されていないとのことだが、自ら協会に問い合わせることはなかった。声をかけてくれた一門もあったというが、頭を下げて願い出ることはなかった。先輩親方が心配し、電話をしたが折り返しもなかったという。審判部内でも孤立していた。

 昨年11月からの一連の騒動と同じ構図。真っ向から協会と主張が対立する。どちらにも言い分があるだろうが、芝田山広報部長が言うように代理人を通してでなく、自らの言葉で対話をしてほしい。貴乃花親方は自らで窮地に追い込んでいる。

 角界との決別にも“けち”が付けられた。平成の大横綱の、あわれな姿をこれ以上は見たくない。(デイリースポーツ・大相撲担当キャップ・荒木司)

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