柔道78キロ超級 朝比奈が初の金メダル!医者目指す21歳…激闘6分超の決戦制す
「柔道・世界選手権」(26日、バクー)
バクーで男女各1階級が行われ、女子78キロ超級で昨年2位の朝比奈沙羅(21)=パーク24=は決勝でリオデジャネイロ五輪銀メダルで2013、14年世界女王のイダリス・オルティス(キューバ)に延長の末、指導3による反則勝ちを収め、初優勝した。男子100キロ超級でリオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(26)は準々決勝でモンゴル選手に一本負けしたが、敗者復活戦と3位決定戦を制して銅メダル。初出場の小川雄勢(22)=明大=はタジキスタン選手との3回戦で反則負けして敗退した。
初戦の2回戦から4試合連続一本勝ちで決勝へ。最後は6分を超えたリオ五輪2位、オルティスとの闘いを制し「先の景色を見ることができて幸せだ」と朝比奈は頬を緩めた。女子で個人戦の全員がメダルを獲得するのは初。五輪実施7階級のうち5階級を制したのは10年東京大会以来で、全階級でメダル獲得は11年パリ大会以来となった。
174センチ、125キロの体格は海外勢と互角。立ち技で体勢を崩し一気に寝技に持ち込むパワーは圧巻だ。世界ランキング2位のツェリッチとの準決勝は両襟を持ってがっちり組み止め、得意の支え釣り込み足で倒した。
引退後は医師になる夢を持ち、予備校に通いながら医学部への編入試験に挑戦。稽古時間は削られるが「一つのことに没頭すると周りが見えなくなる」と、独自の発想で2つの道に取り組んでいる。
昨年の銀メダルは自室の壁に飾り、苦しい時に見つめた。悲願の世界一に輝き「ここがスタートという気持ちをもって、また頑張りたい」と意欲を新たにした。