日本ボクシング連盟第三者委 山根前会長の助成金問題隠滅行為や“奈良判定”認定
助成金流用や、山根明前会長のパワーハラスメント、反社会的勢力との交遊が問題となった日本ボクシング連盟の、告発された内容の調査にあたっていた第三者委員会の、梶谷剛委員長(元日本弁護士連合会会長)は28日、JOC、日本体育協会に同日提出した調査結果報告書について、都内で説明した。
アスリート助成金において、対象者でない2人の選手も含め3人に分配した点については、「山根前会長による助成金の分配の指示」、「『組織的隠ぺい工作』とはいえないが、不適切な隠滅行為はあった」と、認定された。
また、前会長が地位と権限を利用し、試合用グローブの販売において、1社に独占販売させ、中抜きした利益を取得しているのではないかという疑惑にも「山根前会長は『杉スポーツ』と密接な関係があり、グローブ等販売の出納に関与していた時期があった」とし「試合用グローブ等の売買収益の一部は山根前会長が個人的に収受した可能性がある」と指摘した。
さらに「公式試合において自主性が阻害された審判が行われた件」といういわゆる“奈良判定”については「山根前会長らの言動は、審判員が自主性を阻害された審判を行う心理的状況に追い込む可能性があった」とし「山根前会長と関係が深い特定の集団に属する選手の中には良い成績を収めている選手がいる」と、指摘。その上で「日本連盟の公式試合において、自主性が阻害された審判が一部に存在したものと認められる」と、認定した。
その他、全国大会開催時に、山根前会長が宿泊ホテルで賭けマージャンを行っていた事実などが調査報告書に記載された。