内村航平 右足じん帯損傷 世界選手権ピンチも、強行6種目示唆「それが仕事」

 10月25日開幕の体操世界選手権(カタール、ドーハ)に出場する体操男子日本代表が2日、都内で試技会を公開した。エース内村航平(29)=リンガーハット=は、先月25日の跳馬の練習中に、右足の前距腓(ぜんきょひ)じん帯を損傷。この日は足に負担の掛かる床と跳馬以外の4種目で演技したが、大事をとって着地技は避けた。

 20年東京五輪に向けて、団体の表彰台で出場枠を獲得できる大一番を前に、痛恨の負傷。内村は「やった瞬間は、世界選手権は厳しいかと正直思った」と振り返った。ただ、昨年の世界選手権では左足の同箇所のじん帯を不全断裂したが、「あの時よりはだいぶ軽い。あの時は1ヶ月歩けなかったけど、今回はすぐに歩けている。希望はある」と前を向き、治療に取り組んでいる。「人生3大痛の1つ」という対外衝撃波治療も導入。患部に痛くなくなるまで衝撃を与え続けるという治療法を「叫びながらやってます。世界選手権に間に合わせるため。叫ばなきゃやってられない」と、苦笑いで明かした。

 現状では6種目すべてに出場できるかは不透明。場合によっては種目数を制限し、個人総合に出場しない可能性もある。それでも内村は諦めてはいない。「なかなか苦しい状況だけどやれることをやるしかない。6種目やることが僕の仕事」。何度も逆境を乗り越えてきた男の瞳に、覚悟がにじんだ。

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