錦織圭 不調の今季序盤で「テニス人生終わったかな」復活期した1年
「男子テニス・楽天ジャパンオープン」(3日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
男子シングルスの2回戦が行われ、第3シードの錦織圭(28)=日清食品=がブノア・ペール(29)=フランス=に6-3、7-5で勝利し、4強入りした2015年以来3年ぶりの同大会での準々決勝進出を決めた。試合後の会見では、昨年に痛めツアー一時離脱に追い込まれた右手首のけがの影響について質問され「正直、テニス人生終わったかなと思う瞬間はちょっとありますけど」と、追い詰められることもあったと振り返った。
錦織は昨年、全米オープン前に右手首の負傷から残りの大会をすべて休み、回復にあてた。全豪オープン出場を見送って、1月下旬に下部ツアーのニューポートビーチ・チャレンジャーで復帰したものの、初戦で格下のデニス・ノビコフ(米国)に敗れるという再出発となった。その後も戦いぶりには不安定さがつきまとっていた。
復帰直後のプレーぶりについて、錦織は「一番は感覚の部分ですね」と苦しんだと振り返った。「狭いところをなかなか狙えなかったり、大きなミスをしたり、思い切ってラケットを振れなかったり。若干、イップスまではいかないですけど、昔の鋭い感覚が、なかなか最初、2、3カ月はなかなか出なかったので」と思い通りにいかなかったと吐露。「正直、テニス人生終わったかなと思う瞬間はちょっとありますけど」と精神的に追い詰められていたと明かした。
だが、マスターズ1000という四大大会に次ぐカテゴリのモンテカルロ大会(4月15日~22日)で、決勝でナダルに敗れたものの準優勝。以後も、安定した成績とまではいかなくても、全米オープンでベスト4に進出するなど、存在感は示している。「徐々に感覚が戻ってきて、モンテカルロまでは全く良くなかったです。自信を持ってプレーできるようになったのは最近なので、まあ今年は完璧なプレーを求めず、試合中は考えています」とプレー中の心境を表現した。