輪島さん、北の湖さんの訃報時にはすでに声は出ず…咽頭がん手術後、文書でコメント
大相撲、第54代横綱の輪島こと、輪島大士氏(本名・輪島博)が亡くなったことが9日、分かった。輪島さんは、15年に亡くなった横綱・北の湖さんと共に「輪湖時代」を築くなど、相撲の歴史に名を残した。70歳だった。
輪島さんは73年に初土俵からわずか3年半という早さで横綱に昇進。「黄金の左」と呼ばれた左下手投げなどで、一時代を築いた。そんな輪島さんの生涯のライバルだったのが、15年に亡くなった北の湖さん。「輪湖時代」と呼ばれる黄金期を築き、数々の名勝負を繰り広げた。対戦成績は輪島さんの23勝21敗と、ほぼ互角だった。
輪島さんは北の湖さんの訃報の際にコメントを発表。その頃には咽頭がんの手術を受けていたことを明かし、発声が困難なことから文書での発表となった。
かつてのライバルについて輪島さんは「最近、理事長は元気だと聞いたばかりだったので、とても驚いた。お互いに病気と闘っていたが、先に逝かれて寂しい」と率直な気持ちを記し、「運動神経が抜群だった。一度掛けた技は二度は通用せず、頭のいい力士だった」と北の湖さんについての思いを吐露。思い出の対戦について、74年名古屋場所、千秋楽の本割、優勝決定戦と輪島が得意の下手投げで2連勝して逆転優勝した相撲を挙げていた。