大相撲の秋巡業が１７日、京都市の島津アリーナ京都で開催され、横綱稀勢の里（３２）＝田子ノ浦＝が関脇御嶽海（２５）＝出羽海＝と三番稽古を行い、９勝２敗と順調な調整を見せた。豪栄道、高安、栃ノ心と３大関が土俵に上がった豪華稽古の大トリ。古都で１番の声援を受け締めた。

　おっつけで左を封じようとする相手を落ち着いて組み止めた。左をねじ込み右上手と圧力をかけて攻めた。速攻相撲を食らった２番は屈したが大関取りを狙う実力者をパワー、スタミナで圧倒した。

　秋巡業は佐田の海相手に相撲を取ったが、本場所で当たる番付上位とは初めて。「いい稽古になりました。お互いに力を出せた。じっくり（体を）作ってきたから。慌てることなくさばけた。調子は悪くない。いい状態」と充実感を漂わせた。

　左大胸筋負傷などで８場所連続休場から進退をかけた秋場所、１０勝を挙げて見事に再起。９場所ぶり１５日間皆勤したことで心身とも自信を取り戻した。「本場所を挟んでいるから仕上がりが良くなっている。本場所に出るのはきついのもあったけど夏（巡業）には思えないほど体も感覚もいい」。九州場所（１１月１１日初日、福岡国際センター）へ、さらなる上積みが望めそうだ。