高木美帆、別格優勝 仕上がってなくても1分14秒台 平昌五輪組が躍動
「スピードスケート・ジャパン・カップ」(20日、エムウェーブ)
女子1000メートルは平昌五輪銅メダルの高木美帆(24)=日体大助手=が1分14秒92で優勝した。辻麻希(開西病院)が2位。小平奈緒(相沢病院)は出場しなかった。男子1000メートルは小田卓朗(開発計画研究所)が1分9秒46の好タイムで1位。マススタートの女子は五輪金メダリストの高木菜那(日本電産サンキョー)が勝ち、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が2位。男子はウイリアムソン師円(日本電産サンキョー)が制した。
600メートルを同走の辻と並んで通過すると、ここから爆発的なスパートで相手を置き去りにした。高木美が持ち味の終盤に別格の滑りを披露し、最後の1周をただ1人、30秒を切る29秒16で滑りきった。まだ仕上がっていない中で1分14秒台のハイレベルな記録に「励みになる」とほっとした様子だった。
昨季の五輪代表選考会に近い好タイム。短距離選手の辻に食らいついたスピード、後半も躍動感を失わないフォームは状態の良さを感じさせたが、本人は「内容、滑り方はまだ納得いかない部分がある」と貪欲だ。
大活躍した五輪を終えて迎えた今季はモチベーションの維持に苦しんでいる。それでも「今のままでは距離が長くなるほど滑れなくなる。世界では通用しない」と、さらに効率の良い滑り方を模索している。「難しいことだが、求めていきたい」と日本のエースの向上心は尽きない。