阿部一二三、うれしい団体初タイトル「いつもと全然違う感情」
「柔道・全日本学生体重別団体」(21日、ベイコム総合体育館)
7階級で争われ、男子は世界選手権66キロ級2連覇の阿部一二三(21)を擁する日体大が決勝で筑波大に3-1で勝ち、20回目の大会で初優勝を飾った。81キロ級では、準々決勝で左肘を負傷した世界選手権銀メダルの藤原崇太郎に代わって出場した大吉賢が、一本勝ちする殊勲を果たした。女子は龍谷大が東海大を2-0で破って初優勝を果たした。
阿部はウオーミングアップをしていたベンチ前で力強くガッツポーズした。戦局を見守る中、直前の副将が勝ったことで日体大の優勝が確定。いつもなら相手を投げて湧き起こる歓喜が畳の外で爆発した。「チーム一丸での優勝はみんなで分かち合えてすごくうれしい。いつもと全然違う感情」。中学、高校、大学と団体戦での全国制覇とは縁がなかっただけに、初めての喜びをかみしめた。
今大会、2勝2引き分けと本調子ではなかったが、存在感は際立った。抽選で66キロ級が大将になり、絶対エースが最後尾に控えることで前の6人に絶大な安心感を与えた。準々決勝、準決勝では負けている場面で登場。「みんなの思いを背負って何が何でも取りにいこうと」。気迫を全面に押し出し、一本勝ちで代表戦に持ち込んで日本一を呼んだ。
個人では次戦のグランドスラム大阪(11月23~25日)を制覇すれば来年の世界代表に内定する。「ここを勝ち切りたい。今年最後の大仕事。しっかり照準を合わせる」。世界3連覇に向けて一歩踏み出した。