宮原知子、圧巻連覇! 繊細な表現力と力強い滑りで観衆を魅了
「フィギュアスケート・GPスケートアメリカ」(21日、エバレット)
女子は宮原知子(20)=関大=が前日のショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位の145・85点をマークし、合計219・71点で2連覇した。GPシリーズで通算3勝目。SP2位の坂本花織(18)=シスメックス=がフリーも2位となり、合計213・90点で昨年に続いて2位。SP4位の本田真凜(17)=JAL=は右足首痛でフリー9位と崩れ、合計158・04点で8位だった。
演技中の鋭いまなざしとは一変、柔らかな笑顔が広がった。冒頭の3回転サルコーをしっかりと降り、波に乗った宮原は、ほぼミスのない演技で2連覇を達成。持ち味の繊細な表現力はそのままに、力強さも加わった滑りで観衆を魅了した。「本番は緊張してしまったが良かった」とホッと息をついた。
まるで別人だ。2週間前のジャパン・オープン(さいたま)では回転不足を連発し、終盤には転倒。「まだまだ全然ダメ」と悔しさをかみしめた。その当時は課題としていたジャンプを矯正中。つま先で降りる癖を直し、より高く上がる意識で取り組んできた。
「(いい時の感覚が)なんとなく分かったり、分からなかったり。それをこれからものにしていけるようにしたい」。長い道のりと思われた。
しかし、今大会の回転不足は0。2週間でこの成長は、努力の成果に他ならない。「少しずつ変えてきたジャンプが形になってきた手応えはある。今大会はジャンプの回転不足がなかったのが一番の収穫」と自信を深めた。
昨季は左股関節疲労骨折で出遅れたが「体の不安がないし、去年とは練習量が全く違う」と充実した日々を送る。「技術面と表現面をもっと上げたい」。GPシリーズの上位6人が臨める12月のGPファイナル(バンクーバー)進出へ、日本女子のエースは力強く前を向いた。