水谷隼「ものすごく興奮」Tリーグ開幕戦で魅せた!優勝候補の東京が彩たまに快勝
「Tリーグ、東京3-1彩たま」(24日、両国国技館)
卓球の新リーグが24日、東京・両国国技館に5624人の観衆を集めて男子1試合が行われて開幕し、優勝候補の東京が彩たまに3-1で勝った。第1試合のダブルスで水谷隼(29)、松平健太組が鄭栄植(韓国)、平野友樹組に2-0で先勝し、第2試合以降のシングルスは大島祐哉が3-1で吉村真晴を、第3試合は張本智和(15)が黄鎮廷(香港)に3-0でそれぞれ勝利。第4試合の水谷は鄭栄植に2-3で敗れた。女子は25日に名古屋-日本生命で開幕する。
水谷が打つ。張本が叫ぶ-。日本卓球界の歴史を変えるTリーグが華々しくスタートした。両国国技館のど真ん中に置かれた、たった一つの卓球台を挟んだ世界レベルの戦いに、四方の卓球ファンから熱い視線が集まった。
歴史的一戦を誰よりも待ちわびていたのが、エース水谷だった。「ものすごく特別な試合で興奮したし、今までにないくらい緊張した」。第1試合からいきなり登場すると、第4試合でもダイナミックな応酬で国技館をドッと沸かせた。
卓球界のカリスマが長年心待ちにしていたのが、日本でのプロリーグだった。今まで国内で世界レベルの実戦を恒常的にはできず、拠点は海外。ただ、自身がリオデジャネイロ五輪でメダル2つを獲得し、注目を集めたことでTリーグへの機運を一気に高め、ついにこの日にこぎ着けた。
「卓球ブームというか、すごくいい流れがきているので、それを東京五輪まで持っていくにはTリーグがカギになる。成功すれば父兄や子供の中で卓球を始めてくれる人が増えるし、プロを目指す人も増える。必然的にスポンサーもついたり、卓球界の発展につながる」
並々ならぬ思いで立った国技館で一番の声援を受けた。「最初はどれだけ入るかわからなかったが、たくさん来てくれて取材もたくさん。盛り上がりを感じた」。観客も手探り状態でエールやコールを響かせた。ヤジも混じったが、水谷はニヤリ。「四方からいろんな声が聞こえてきたけど僕はそういうのが好き。もっともっといろんなヤジを聞きたい」。市民権を得るためのステップを楽しんだ。
Tリーグ創設のために約10年奔走してきた松下浩二チェアマンは「ホッとした」と一息つきつつ、試合時間などには改善の余地も挙げ「80点」と採点。「満足はしていない。もっとお客さんに喜んでもらえるようにしたい」。大きな一歩を踏み出したが、挑戦は始まったばかりだ。