宇野昌磨が逆転連覇!悔しいSP…「絶対降りてやる」決めた雪辱のトリプルアクセル
「フィギュアスケート・スケートカナダ」(27日、ラバル)
男子でショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=がフリーでトップの188・38点を出し、合計277・25点で2連覇を果たした。平昌五輪銀メダルの宇野はGP通算4勝目。女子はSP3位でGPデビューの山下真瑚(15)=中京大中京=がフリーで2位の136・76点を出し、合計203・06点で2位に入った。エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)が203・32点で優勝した。
ミスで2位に甘んじたSPから一夜明けたフリー。宇野は美しい旋律で彩られたベートーベンの月光を演じきり、肩で息をした。「悔しさをぶつけた演技だった」。闘争心を随所にほとばしらせ、2位に18点以上の差をつける圧倒的な内容で逆転し、表彰台の中央に立った。
「最初から100%の力を出し切った」というように冒頭からの3種類の4回転ジャンプを力強く跳んだ。サルコーではわずかに回転不足を取られたものの、フリップでは3・77、トーループでは2・99の出来栄え点を加点。SPで転倒した演技後半のトリプルアクセル(3回転半)も「どんなジャンプになっても絶対に降りてやるという強い気持ちだった」と幅のある跳躍で観客の目を引いた。
6月下旬から2週間、モントリオールでスケーティング技術と表現力を磨き、8月にはシカゴでジャンプに特化した強化合宿で体をいじめ抜いた。今季のテーマは「自分を信じる」。この日の演技には迷いが感じられなかった。
大会2連覇にも「湧き上がってくるものは何もない」と素っ気ない。スタミナが切れた終盤のジャンプでミスが出た部分を課題に挙げ「まだまだ練習が必要」と貪欲さをのぞかせた。