渡辺雄太NBAデビュー 田臥以来14季ぶり日本人2人目!フリースローで2得点

 「NBA、グリズリーズ117-96サンズ」(27日、メンフィス)

 米プロバスケットボールNBA、グリズリーズの渡辺雄太(24)が本拠地テネシー州メンフィスでのサンズ戦に初めて出場選手登録されて途中出場し、日本選手としては2004年にサンズでプレーした田臥勇太(栃木)以来14季ぶり2人目となるNBA出場を果たした。主力に故障者が相次ぎ、開幕5試合目で昇格。25点の大差がついた最終第4クオーター途中から4分31秒出場してフリースローによる2得点、2リバウンドを記録した。チームは117-96で快勝し、3勝2敗とした。

 最高峰のステージで、渡辺が大きな一歩を踏み出した。「今日プレーできたことで一歩先に進めた。日本で応援してくれる人や家族、恩師、友達は喜んでくれていると思う」。高校卒業後の約5年前に渡米。バスケットボールの本場での武者修行を支えてくれた周囲への感謝を口にした。

 チームはパーソンズら故障者が相次ぎ、ベンチ入りのチャンスを得た。大差がついた第4Q残り4分31秒で声が掛かった。身長206センチの24歳はリバウンドで体を張り、速攻では先頭を走った。「短い時間で誰でもできる当たり前の事をやろうと思い、それはできた」とうなずいた。

 ハイライトは残り1分40秒。体を回転させながらゴール下に切り込んでジャンプシュートへ。持ち味の俊敏な動きがファウルを誘った。フリースローを2本とも決めて初得点も記録した。

 渡米時、すぐは英語を話せず、無名の存在だった。プレップスクール(大学進学準備校)を経て入ったジョージワシントン大では、屈強な米国選手に吹っ飛ばされ、長距離の遠征時は寮に戻るのが深夜を過ぎる時もあった。勉強にも追われ「精神的にしんどい時もあった」と述懐する。

 飽くなき向上心が練習と勉強に没頭させた。大学のジョセフ監督は夜遅くに体育館へ行くと、練習している姿を何度も目撃したという。シャイで控えめの性格は米国でもまれてたくましくなった。

 5月に大学を卒業。7月に下部チームに所属しながら一定期間NBAに出場が可能なツーウエー契約を結んでいた。NBA昇格日数が限定された契約で次の出番がいつかは見通せない。

 俊敏さを生かした守備と3点シュートを武器とする男は言った。「自分の強みを伸ばすことが一番大事。守備力もシュート力も磨けばもっと長い時間プレーできるようになる」。これだけでは満足していない。チャンスを生かしてはい上がる強い決意を示した。

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