日馬富士側 貴ノ岩の訴訟取り下げに驚き モンゴルバッシングには「考えられない」
大相撲の貴ノ岩が30日、元横綱の日馬富士に対して損害賠償を求めた訴訟を取り下げたことに、日馬富士側の代理人がコメントを発表。「大変驚いております」とした上で、貴ノ岩からの円満な和解や調停を日馬富士側が拒絶したとしていることに「全く事実に反する」とコメント。またモンゴルからバッシングを受けたとしていることに「モンゴルの国民性からして被害者である貴ノ岩関や、ましてやご家族が非難の対象となることは考えられません」と訴えた。
貴ノ岩はこの日、裁判を起こした直後からモンゴルにいる家族が猛烈なバッシングにさらされていることを理由に、訴訟を取り下げたことを発表。これを受け、日馬富士側も代理人がコメントを発表した。
貴ノ岩側は記者会見も行っていたことから「今回の取り下げには大変驚いております」とコメント。日馬富士側としては、貴ノ岩の暴行を認め捜査にも協力し、捜査当初から謝罪と示談の申し入れをしてきたという。
日馬富士が略式起訴された後にようやく貴ノ岩と面談したが、そこでは貴ノ岩からは3000万円という額が提示されていたことも明かした。
民事調停となった後に金額の内訳が明らかになったというが、「12日間の怪我が治癒した後に入院した際の費用などがもっぱらだったことが判明し、驚きを禁じ得ませんでした」ともつづった。
その後も継続協議を望んだものの、「根拠資料が一切示されないまま言い値での支払いを求められた上」「引退相撲の9月30日までに結論を出すように強く求められました」と説明。その結果、「直前に期日が設定されたものの、それまでには結論が出せず、やむを得ず、調停手続きが終了したものです」と説明した。
今回の訴訟取り下げの貴ノ岩のコメントに関しては、円満解決を「当職らがこれを拒絶したとされておりますが、上記の通り、それはまったく事実に反するものであり、貴ノ岩関は、自身の代理人から正しい事実経過を知らされていないと感じざるを得ません」とした。
また、貴ノ岩がモンゴルで家族がバッシングを受けているとしていることに「モンゴルの国民性からして被害者である貴ノ岩関や、ましてやご家族が非難の対象となることは考えられません」とコメント。「SNS等で一部にせよそのような事実があるとすれば、極めて遺憾であり、もとより元日馬富士の望むところでは決してありませんし、貴ノ岩関のために何かできることがないかを真剣に考えたいと申しております」と、バッシングの沈静化に協力することも明かしていた。