内村航平「命懸けて」東京五輪1号!団体3位で自力切符 後輩のミス全力リカバー 

内村航平
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 「世界体操・男子団体総合、決勝」(29日、ドーハ)

 男子団体総合決勝が行われ、16年リオデジャネイロ五輪王者で2連覇を狙った日本は6種目合計253・744点で銅メダルとなり、3位までの団体総合の五輪出場枠を獲得した。開催国枠を除いた自力での五輪切符は全競技で第1号。中国が256・634点で14年大会以来12度目の優勝を飾り、ロシアが0・049点差で2位。予選3位の日本は右足首故障で万全ではない内村航平(29)=リンガーハット=が気迫の演技で引っ張り、白井健三(22)=日体大、田中佑典(28)=コナミスポーツ、萱和磨(21)、谷川航(22)=以上順大=とともに五輪切符を死守した。

 予選からの嫌なムードも、断ち切れそうになった流れも、なんとかしてしまうからこその大黒柱だ。9月に発症した右足首の故障で床と跳馬の演技ができない内村だったが、右足を引きずりながらも4種目で渾身の演技を見せ、五輪切符死守の立役者となった。

 「僕が流れを作らないと今日はグダグダになってしまいそうだった。命を懸けるぐらいの意気込みだった」

 予選では自身を含め3人が落下したあん馬からのスタート。最初の演技者を託されると、安定感抜群の演技で14・133点をマーク。日本の3人の中でトップの得点を稼ぎ流れを作った。続くつり輪でも出来栄えを示すEスコア8・5点の美しい演技で日本トップの14・200点。前半首位と日本を勢いに乗せた。

 平行棒で第1演技者の田中がまさかの落下。優勝を争う中で痛恨のミスとなったが、直後の内村がほぼ完ぺきな演技でリカバー。再び流れをつないだ。最後の出番となった鉄棒でも貫録の演技で日本トップの14・400点。「目指していた色ではないけど、最低限はクリアできた。でもやっぱり団体は面白いですね。また新しい色が増えた」と、ホッとした表情で汗を拭った。

 15年世界選手権、16年リオ五輪と守り続けてきた団体世界王座からは陥落。「(東京)五輪の資格を取れたので(気持ちは)半々。ここからどう中国、ロシアとの差を埋めていくか」。集大成となる20年東京五輪で再び日本が頂点に立つために、内村はまだまだ柱であり続ける。

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