元日馬富士側声明 貴ノ岩の訴訟取り下げに驚き…バッシング沈静化へ協力も
大相撲の元横綱日馬富士から暴行被害を受けた幕内貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が慰謝料など約2400万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、貴ノ岩側は30日、提訴を取り下げた。代理人を通じ、母国モンゴルで家族らが猛バッシングを受けたことを理由とし、治療費など一切は自己負担すると説明した。昨年10月末に事件が起きて1年、師匠だった元貴乃花親方も協会を退職しており、角界を揺るがした騒動は完全収束となった。
貴ノ岩が損害賠償を求めた訴訟を取り下げたことを受け、日馬富士側の代理人がコメントを発表した。「大変驚いております」とした上で、日馬富士側が円満な和解や調停を拒絶したとしていることに「それはまったく事実に反するものであり、貴ノ岩関は、自身の代理人から正しい事実経過を知らされていないと感じざるを得ません」と反論した。
またバッシングを受けているという主張には「モンゴルの国民性からして被害者である貴ノ岩関や、ましてやご家族が非難の対象となることは考えられません」としつつも、「そのような事実があるとすれば、極めて遺憾であり、もとより元日馬富士の望むところでは決してありませんし、貴ノ岩関のために何かできることがないかを真剣に考えたいと申しております」と沈静化への協力を惜しまぬ姿勢を示した。