横綱稀勢の里、逸ノ城相手に9勝2敗「気持ちよく稽古ができた」
「大相撲九州場所」(11日初日、福岡国際センター)
横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=2日、福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で行われた場所前恒例となる二所ノ関一門の連合稽古に参加し、関脇逸ノ城(湊)相手に11番取り、9勝2敗と上々だった。
関取最重量227キロ巨漢には先場所も押し出しで完敗しており、対戦3連敗。「ご想像通り」と苦手意識のある相手を指名した。
立ち合いで左をねじ込むと、腰の重い相手を崩して何度も寄り切った。押し出し、突き落としで2番は屈したが圧力勝ちしていた。左大胸筋などを負傷し回復具合が懸念される左腕だがハズ押しに力強さも戻っていた。
旧貴乃花部屋など5部屋が先場所後に二所ノ関一門に移籍し角界最大の22人の関取を抱える大派閥となった。千賀ノ浦部屋からは幕内隆の勝に加え、旧貴乃花部屋の小結貴景勝、幕内貴ノ岩、十両貴源治と若手が加入。阿武咲(阿武松)、阿炎(錣山)とホープもズラリ。逸ノ城も新加入の1人で、横綱にとっては仕上がりを試す絶好の相手となった。
「一門が一緒になったしいいチャンス、きっかけ。力を出し切ってお互いにいい稽古になった。体の切れも良かった。気持ちよく稽古ができた」と、充実感を漂わせた。午後には福岡市内の住吉神社で横綱土俵入りを奉納。9日後の初日に向け「しっかり土俵の回りで動かして体をつくっていく」と気を引き締めた。
8場所連続休場明けから進退を懸けた先場所、10勝を挙げ再起。心身ともによみがえった横綱に一門の親方衆も安どする。尾車親方(元大関琴風)は「やれるというのはいいこと。(先場所皆勤して)取り切れたのは自信になる。いつもの(故障前の)状態と変わらない稽古場の雰囲気だと思うよ。変わらないからいいんじゃない」と復調に太鼓判。
芝田山親方(元横綱大乃国)も「まだこれから。息が上がるのも早かった。これから稽古していけば」と落ち着いて稽古を見られた様子で話した。