錦織圭トップ10返り咲きへ「第1の目標クリア」前大会決勝の雪辱で8強入り
「男子テニス・マスターズ・パリ大会」(1日、パリ)
シングルス3回戦で世界ランキング11位で第10シードの錦織圭(28)=日清食品=が世界6位で第7シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)をストレートで破り、8強入りを果たした。大会後発表の5日付世界ランキングで約1年2カ月ぶりにトップ10に返り咲く見通しとなった。年間成績上位8人によるATPツアー・ファイナル(11~18日・ロンドン)出場権争いでも9番手以内を確保した。
最後は錦織のショットがネットに当たり、相手コートに弾んで勝負は決した。4日前のエルステバンク・オープン(ウィーン)の決勝で敗れたばかりのアンダーソンに雪辱。「1ゲーム目を取れたおかげで、かなり自分のサービスゲームが楽になった」と力強く右拳を握った。
8人で年間王者を争う最終戦への出場権を争っていたイスナー(米国)とチョリッチ(クロアチア)が3回戦で敗退。錦織の9番手以内が確定した。世界ランキングでもトップ10復帰を引き寄せた。
昨年8月に右手首を負傷して長期離脱。今年2月にツアー復帰を果たしたが、4月には世界39位まで後退しただけに、「本当に長い道のりだった。第1の目標をクリアできた」とかみしめるように言った。
負傷を抱えるデルポトロ(アルゼンチン)らが最終戦を欠場し「補欠1番手」でも繰り上がりで最終戦出場の可能性はある。ただ、今大会で勝ち進めば切符は自力で手にできる。「次はトップ8に入ること」と表情を引き締めた。