松本薫、引退示唆「フィフティーフィフティー」 初戦一本負け、東京五輪絶望で
「柔道・講道館杯全日本体重別選手権」(4日、千葉ポートアリーナ)
19年世界選手権(東京)代表第1次選考会を兼ねて行われ、女子57キロ級ではロンドン五輪金メダルの松本薫(31)=ベネシード=が1回戦で一本負けし、東京五輪が絶望的となったことで現役引退を示唆した。男子90キロ級はリオデジャネイロ五輪金メダルのベイカー茉秋(24)、100キロ超級は影浦心(23)=ともに日本中央競馬会=が初優勝。100キロ級では左肩の手術から復帰したリオ五輪銅メダルの羽賀龍之介(旭化成)が2位に入り、女子48キロ級は高校3年の芳田真(17)=比叡山高=が初制覇した。
初戦で散ったにもかかわらず松本の表情はすがすがしかった。「今まで(負けた時に)あった悔しい気持ちはあまりない。勝負師(としての自分)とはかけ離れた次のステップにいると思う」。神経をすり減らすような第一線で長く戦ってきたからこそ、闘争本能の陰りをハッキリ感じた。
リオ五輪後に結婚、出産を経たが、「子供を産んでも柔道ができる1つの道を残したかった」と育児をしながら東京五輪出場を目指した。これが代表争いに加わる最後のチャンスだったが、敗れたことで道が絶たれた。
今後は未定というものの「2人目(の子供)をつくること、現役続行、引退して次の道に行くこと」と選択肢を示した。関係各所と話し合って決めるというが、引退の可能性については「フィフティー、フィフティー」と胸の内を明かした。
世界女王の芳田司(23)=コマツ=ら若手も台頭している。「練習でも若い選手が私に絶対負けたくないという自覚と責任を持ってくれた」と頼もしげに笑い女子柔道の未来を後進に託す。