紀平梨花、歴史的Vから一夜「浅田真央さんに近づけるように」
「フィギュアスケート・NHK杯」(11日、広島県立総合体育館)
10日まで行われた女子シングルで、男女通じて日本選手初のGPシリーズ初出場初優勝を飾った紀平梨花(16)=関大KFSC=が一夜明け取材に応じた。フリーではSPで転倒したトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2度組み込む構成を完ぺきに遂行し、フリーで今季世界2位となる154・72点をマーク。総得点も世界2位の224・31点で、SP5位から大逆転で衝撃のデビューV。十分に世界の頂点に届くポテンシャルを示したニューヒロインは「(日本で)誰もやったことのないことをやった実感がない」と、初々しくはにかんだ。
昨日の試合後は「プレゼントの整理とLINEのメッセージの返信をして、お風呂に入ったら夜中まで掛かったのであまり眠れてない。いつもよりはすごい疲れはある」と苦笑いしながら「今日のエキシビションが終わってゆっくり休んで、また明日からしっかり練習したい」と、若さを見せた。
フリーではトリプルアクセル-3回転トーループの連続ジャンプ、そして単発のトリプルアクセルを完ぺきに決め、観衆を一気に銀盤の世界へと引き込んだ。伊藤みどり、浅田真央ら日本女子のエースが歴代継承してきた“伝家の宝刀”トリプルアクセルを駆使するニューヒロイン。目下、世界を席巻する平昌五輪金メダリストのザギトワらロシア勢に対抗できる破壊力を秘める。今回の大会で「今までは全然レベルが違うかなと思っていたけど、どんな相手でも自分の完ぺきな演技ができれば」と、自信を手にした。
GPデビューシーズンにGPファイナル優勝を飾った憧れの浅田さんのようなシンデレラストーリーへの期待も膨らむ16歳。「1戦目で勝てたけど、何回も続けてできているわけではない。まだまだ。浅田真央さんに近づけるように、ということだけ考えてます」と、まだまだ必死に背中を追い続けることを誓った。次戦はフランス杯(23日開幕・グルノーブル)。GPファイナル(12月6日開幕・カナダ、バンクーバー)進出が目標となる。「次はSPも完ぺきにやって、完ぺきのノーミスを目指したい」と、力強く語った。