池江、五輪女王から初金星 本命100メートルバタで日本新
「競泳・W杯東京大会」(11日、東京辰巳国際水泳場)
短水路(25メートルプール)で争われ、女子100メートルバタフライでアジア大会6冠の池江璃花子(18)=ルネサンス=が55秒31の短水路日本新記録をマークし、16年リオデジャネイロ五輪金メダルのサラ・ショーストロム(スウェーデン)を破って優勝した。同200メートル個人メドレーは大橋悠依(23)=イトマン東進=が2分5秒29の短水路日本新で、世界女王のカティンカ・ホッスー(ハンガリー)に続く2位に入った。男子400メートル個人メドレーは萩野公介(ブリヂストン)が4分1秒93で制した。
池江が東京五輪の金メダルに近づく大金星を挙げた。前半50メートルでショーストロムと0秒05差の2位につけると、後半は競り合いながらリードを奪ってゴールに先着。「まさか勝てるとは思わなかった。前半から積極的にいって、終盤きつかったけどテンポを落とさないように意識した」。本命種目で、世界記録保持者でもある五輪女王からの初勝利に興奮を隠せなかった。
10月にトルコで女王との合同合宿が実現した。雲の上の存在を現実的なライバルとして捉えられるようになり、レース前に招集所で会っても無駄な畏怖の感情はなくなった。今回はショーストロムが後にもレースを控えていたため「力を抑えていたかも」と冷静に振り返りつつも「勝てたことはすごくうれしい」と自信を深めた。
もちろん本当の勝負は長水路になる。まずは来年の世界選手権に向けて、12月には米フラッグスタッフでの高地合宿、年明けにはオーストラリアでの合宿を予定している。その差はまだ大きいが、追うべき背中がはっきり見えた1勝だった。