内村航平 今季総括 来季へ悲壮覚悟「次、怪我したら終わりだなと思ってる」
体操男子のエース、内村航平(29)=リンガーハット=が12日、都内で取材に応じ、来季に向けて個人での世界王座奪還を誓った。今季は9月に右足前距腓じん帯を損傷した影響もあり、世界選手権では個人総合出場を断念。団体では連覇を逃し、銅メダルに終わった。中国、ロシアが力をつけている中、「チームが勝つためには僕だけじゃなく全員がもっと力をつける必要があるけど、僕自身が個人で勝つところまで戻すべきかなと。それが日本のためになる」と、王者返り咲きを目標に掲げた。
今年、個人総合を制したダラロヤン(ロシア)の得点は87・598点。「87・5点はかなりすごい点だけど、きっちりやれば全然まだまだできるな、と見てて思った」と、分析。来年1月に30歳となるが「今年、そこ(年齢)の壁は1回超えたと思ってる。しんどいのはしんどいけど、練習をしっかり詰めれば、そこまで年齢は関係ないことを証明できた」と、力を込めた。
あとは怪我との戦いだ。昨年の世界選手権では跳馬で左足首を負傷。今年は右足首と、大きな故障に苦しめられてきた。「あとは怪我ですよね。次、怪我をしたら終わりだなと思ってる。次、怪我をしたらメンタル的にも戻ってこれなくなる」と、自らに言い聞かせるように話した。
見据えるのは集大成と位置付ける2年後の東京五輪。来年には元号も変わる。生まれて4日に昭和から平成へと変わり、平成時代で輝いた男は「寂しいですね」と感慨を口にしつつ「新しい元号でもあと2年は引っ張りたい。『序盤引っ張ったな、アイツ』と思ってもらえるように」。時代は違っても、“王”であり続けることを誓った。