日大タックル問題“傷害指示”警視庁認めず「つぶせ」は正当業務行為範囲内と認定

 日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、警視庁が、傷害容疑で告訴された内田正人前監督(63)と井上奨前コーチ(29)について、悪質タックルの指示は認められないと判断したことが13日、捜査関係者への取材で分かった。月内にも捜査結果を東京地検立川支部に送付する方針で、指導者2人は立件されない見通し。

 タックルをした宮川泰介選手(20)に関しては、けがをさせた事実を認定し同容疑で書類送検する方針。被害者側と示談が成立していることなどから、処分を慎重に判断するとみられる。

 警視庁は、宮川選手の陳述書や指導者2人の聴取内容に加え、200人を超える部員や関係者の証言、試合映像の解析結果などを慎重に検討。厳密な客観証拠を求められる刑事捜査では、違法行為の指示までは認められないとした。

 捜査関係者によると、指導者からの「つぶせ」との言葉は、「強いタックル」などの意味で一般的に使われることから負傷行為を意図したものとは言えず、アメフットにおける正当業務行為の範囲内と判断した。

 日大の第三者委員会が、タックル直後に指導者2人が交わしたと判断した「やりましたね」「おお」という会話についても確認されなかったという。この会話は第三者委が、2人の指示で反則が行われたと判断する根拠の一つだった。

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