羽生結弦また更新!SP世界最高 「ノーミス」110・53点!GP連勝へ首位発進

 男子SPで演技を終え、笑顔を見せる羽生結弦(共同)
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 「フィギュアスケート・ロシア杯」(16日、モスクワ)

 開幕し、男子ショートプログラム(SP)で第3戦のフィンランド大会優勝の羽生結弦(23)=ANA=が、ルール改正後の世界最高得点を塗り替える110・53点で首位発進した。自身がフィンランド大会でマークした106・69点を上回った。友野一希(20)=同大=は82・26点で4位。羽生は3位までに入ればシリーズ上位6人によるGPファイナル(12月6~8日・バンクーバー)進出が決まる。各種目のフリーは17日に行われる。

 持てる全てをリンクに刻んだ。スタートの位置に着く瞬間からアリーナの空気が張り詰める。柔らかなピアノの旋律が優雅な舞を包み込む。軽やかな踏み切りから流れるように4回転サルコーを決めると、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も美しく着氷。大きな加点を得る出来栄えは、これぞ羽生結弦と誇れる。

 後半の4回転-3回転の連続トーループは若干流れが詰まったものの、全ての要素で加点をもらい、スピンやステップでも最高評価を獲得した。「ノーミスって胸を張って言える。これが実質マックス」と語る会心の演技に自ら拍手。世界最高得点という高い壁を、すぐさまその手で打ち破った。「頑張れたかな」。羽生は誇らしげに笑った。

 憧れた米国のジョニー・ウィアー氏の代表曲「秋によせて」を演じるSP。当時振り付けを担当したロシアの重鎮、タチアナ・タラソワ氏もリンクサイドで見守った。その姿を見つけると思わずギアが入る。「指先や表情、一つ一つの音の感じ方を大事にした」。湧き上がる感情を銀盤へ焼き付け「自分の中でも評価できる。うまくできた」と羽生。表現力を表す演技構成点でも今季最高点をマークした。

 試合間隔は、わずか中1週。GPフィンランド大会へ注力してきただけに、前戦の後は調子も落ちた。「ただ張り切ってやるのではなく、一歩引いたり、追い込んだり」。コンディションと相談しながら練習の密度を考え、コントロールして状態を上げてきた。シニア9季目。長年の経験でこそなせる技だった。

 表彰台に立てばGPファイナル進出が確定。自身初のGP連勝、日本男子初のGP10勝目もかかる。奮い立たせるように「自分の中でSPとフリーをそろえてナンボ」と話した羽生。壁など、もはや存在しない。最高を更新する異次元の演技を、また見せる。

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