ジョセフJAPANラグビーの聖地驚かせた! 金星逃すも元日本代表エディー監督称賛
「ラグビー・テストマッチ、イングランド35-15日本」(17日、トゥイッケナム)
世界ランク11位の日本代表は、英国での「リポビタンDツアー2018」で同4位のイングランド代表を苦しめた。前半はCTB中村亮土(27)=サントリー、フランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=のトライなどで15-10とリード。後半は15年W杯で日本を指揮したエディー・ジョーンズ監督が率いる相手に3トライを奪われ、15-35で逆転負けした。対戦成績は日本の9戦全敗となったが、世界トップクラスと互角に渡り合った手応えは大きかった。日本は24日には英グロスターで19年W杯開幕戦の相手、世界19位のロシアと対戦する。
聖地に集まった8万1151人の大観衆を、ざわつかせた。開始3分に先制トライを許したが、その後は日本が終始攻勢に出た。中村のトライで逆転。同点とされたが、リーチが勝ち越しトライを奪った。前半を終えて15-10。大観衆の目に、想定外のシーンを映し出して見せた。
ジョセフ・ヘッドコーチは「トゥイッケナムで自分たちのパフォーマンスを発揮できたのは一つの収穫。後半に流れを失って(勝利を)逃してしまったのは課題」と一定の評価をした。
大健闘。その要因をリーチは「一番成長したところはブレークダウン(タックル後の密集でのボールの奪い合い)のところ」と言う。31-69で敗れた3日のニュージーランド戦で敗因となったプレーだった。
この一週間はブレークダウンの修正に特化して練習してきた。中村は「速くいくことと、体を低くすることを意識してやってきた」と説明。密集に相手より速く到達し、低く当たって優位な体制をつくる。“速く、低く”をテーマに、フィジカル自慢の相手を圧倒。大きな成果を上げた。
収穫だらけの前半から、後半は一転。相手が戦術に対応し、レギュラークラスを続々投入すると一方的にやられた。リーチは「勝っていた試合に負けた。自分たちが課題にしていた後半立ち上がりの10分。そこがうまくいかなかった」と修正点を挙げて、「ガッカリ」と金星を逃した一戦を形容した。
それでもベテラン勢が口にしたのは確かな手応えだった。SH田中は「前半はクリーンにボールを出せていた。80分続けられれば勝つ可能性は高くなる」。WTB山田は「一週間で準備して、それを遂行できた。選手の理解力と遂行力は上がっている。違う相手になっても違うラグビーができる」。W杯まで約10カ月。聖地でつかんだものは、限りなく大きい。