横審、稀勢の里へ満場一致で「激励」決議 来場所休場なら引退勧告も示唆

横綱審議委員会に出席した八角理事長(左列手前から3人目)ら=福岡県内のホテル(撮影・中田匡峻)
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 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会が九州場所千秋楽から一夜明けた26日、福岡市内で行われ、九州場所5日目から途中休場した横綱稀勢の里(32)=田子ノ浦=に対し、横審委員満場一致で「激励」を決議した。

 横審は成績不振の横綱に対する勧告として、「激励」「注意」「引退勧告」を行う。

 会議後、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が会見した。

 「いろんな意見があった。厳しい意見も結構たくさん出ました。結局みんなで9人の委員がこれでいこうやとなった決議をしました。皆さんもご存じだけど、『激励』という決議をしました」と冒頭で説明。

 『激励』文を委員長自ら読み上げた。

 「横綱稀勢の里は長期にわたって、その地位にふさわしい力量を示せずにいる。九州場所における復活に願いをかけたファンの失望は大きい。本委員会は委員会規則に従い定められた『激励』を決議し、稀勢の里自身が決意した来場所での再起に期待する」。

 以上の『激励』文は諮問の相手である八角理事長(元横綱北勝海)に手渡された。

 同委員長は「これだけ不成績が続き、先場所ちょっと回復へのきっかけができたかに見えて今場所、大変期待していたけど、それがこういう結果になった。かなり厳しい見方をしないといけない」と、断じた。

 さらに「横綱がどういう風に身を処すかというのは自身の決意、自覚が一番大事。回りがとやかく言うよりは自分できちっと考えていって欲しいという思い。それが『もう一度チャンスを』ということですので、そのチャンスが生かされればいいなと期待している」奮起を促した。

 『激励』は次の出場場所でなく明確に「来場所」と記された。「来場所どうするのかということに注目しています」。来場所、進退問題脱出の目安に関しては「特に考えていない。復活というか再起がうかがわれるような成績であってほしい」と話した。

 右膝負傷で全治2カ月の診断。冬巡業も初日からの参加は厳しく、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は初場所(来年1月13日初日、両国国技館)の出場も慎重な姿勢。

 それでも来場所へ“出場勧告”。「ケガというのは本人にしか分からない。きっちりつかめない。私の気持ちは来場所出てほしい」と強く求めた。

 8場所連続休場から出場した先場所10勝を挙げて再起したが、完全復活を求めた場所で途中休場を繰り返した。かりに来場所も休場を選択するようなら『引退勧告』を決議する可能性も示唆。「考えなきゃならないかもしれない。どういう状況でそうなったか。委員のみなさんがどう受け止めるか」と話した。

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