今季引退のフジカキペア、山口破り次はタカマツ戦「胸借りる」
「バドミントン・全日本総合選手権」(28日、駒沢体育館)
五輪メダリスト対決が実現する。女子ダブルス1回戦が行われ、今季限りでの現役引退を表明しているロンドン五輪銀メダルの藤井瑞希(30)、垣岩令佳(29)組(再春館製薬所)は、山口茜(再春館製薬所)、綿矢汐里(福井県立奥越特別支援学校職)組に2-0で勝利した。29日に行われる2回戦では、リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)との対戦が決まった。
チームの後輩と公式戦で手を合わせられたことに、「茜ちゃんと試合できたことがうれしい」と2人で声をそろえた。序盤はミスも見られたが、ベテランらしく尻上がりに修正。藤井は「茜ちゃんは勝ち方を知っているので、気持ちを締め直さないと足をすくわれると思い徐々に気持ちを高めていった」と汗をぬぐった。
フジカキペアは今年9月に今季限りでの引退を発表。12月に開幕するS/Jリーグを最後に現役を退くが、個人戦出場はこれが最後となる。
何の因果か、予選から勝ち上がって五輪王者ペアとの5年ぶりの対戦が決まり、「最高だな」と藤井。「せっかくやるなら、トップレベルの選手とやって自分たちのバドミントン人生を終えられたら満足だなと思っていた。今の世界レベルとやれるのは楽しみ」と声を弾ませ、「スピード、体力、球の質で自分たちの方が落ちるのは分かっている。後輩の胸を借りて、食らいついて、私たちらしいプレーができれば満足」と集大成のパフォーマンスをぶつけることを誓った。
垣岩も「また(タカマツと)当たれるのは幸せ」と感慨深げに話し、「自分たちが球を拾えるかという問題はあるが、少しでも多く点数を獲れればいい」と腕をぶした。