桃田賢斗、初戦突破も足震え手滑った「余裕なくギリギリ」
「バドミントン・全日本総合選手権」(28日、駒沢体育館)
男子シングルス1回戦が行われ、世界ランク1位で世界選手権金メダリストの桃田賢斗(24)=NTT東日本=は、山口容正に2-0でストレート勝ちし、2回戦に進出した。
3年ぶりの日本一を目指す桃田だが、初戦の入りは難しかったようで「しっかり意識を持ってコートに入ったが、すごく足が震えていて緊張した」と明かした。「手が滑って繊細なショットが打てなかった」というように持ち味のネットプレーも不発で、第1ゲームは16-18と劣勢。しかし、そこから5連続ポイントで21-18と逆転すると、第2ゲームは立て直して21-7と圧倒した。
1年間の試合出場禁止処分明けで2年ぶりの出場となった昨年大会も、緊張感と日本代表入りが懸かる重圧に襲われて準々決勝で敗れた。今年も独特の緊張感に襲われたが、「今年は『自分はここまでやってきたんだぞ』という自信があったので、それが負けている時に自分を支えてくれたかなと思う」と自負をのぞかせた。
世界王者に対する周囲の期待も大きいが、「観客の皆さんに世界ランク1位らしいプレーを見せたかったが、今日はそんな余裕はなくギリギリだった」と苦笑い。初制覇した15年大会以来の頂点に向けて、「一発勝負だと、相手が勢いに乗ってしまうと(自分が)消極的になってしまう。何が起こるか分からないので、(王者ということは)意識せず相手に向かっていきたい」と気を引き締めた。