IOCバッハ会長 ボクシング東京五輪実施へ「努力惜しまない」も明言せず
国際オリンピック委員会(IOC)が2020年東京五輪実施競技からの除外を検討しているボクシングについて、国際ボクシング協会(AIBA)の組織運営を調査することを決定し、調査期間中の五輪マーク、ロゴの使用禁止、五輪予選、テストイベントの停止、チケット販売の停止など準備を凍結する措置を取ったことに対して、IOCのトマス・バッハ会長が1日、都内で行われた理事会後に会見した。
ボクシングの東京五輪での実施について「あらゆる努力を惜しまない。われわれはアスリートを守りたい。ある団体、役員が不正を行っているからといって、アスリートが苦しむべきではない」と前向きな姿勢を見せた。ただ、一方で実施を明言することはなかった。
調査結果は来年6月のIOC総会に報告され、処遇を決定する。IOCは財務面、米財務省から「ウズベキスタンの代表的な犯罪者の一人で、ヘロイン売買に関わる重要人物」と指摘されるラヒモフ氏(ウズベキスタン)が会長を務めているガバナンス面については「重大な懸念が残る」と判断。11月30日に、調査委員会を立ち上げ、直接AIBAを調査することを決定した。
IOCのマコーネル競技部長は「私たちがやれることはすべてやりたい。東京でボクシング競技をやる、アスリートを保護することが目標である」と話した一方で「(五輪の競技に)入れる入れないは総会が決める」と、実施については濁した。選手たちは東京五輪本番の残り1年1カ月の時点まで、競技実施が決まらない異例の事態に巻き込まれることになっている。