設楽悠太4位…前半で水取れず、後輩に「ちょうだい」
「福岡国際マラソン」(2日、平和台陸上競技場発着)
初出場の服部勇馬(トヨタ自動車)が2時間7分27秒で初優勝した。日本勢の優勝は2004年大会の尾方剛(中国電力)以来。前日本記録保持者の設楽悠太(ホンダ)は2時間10分25秒で日本勢2番目の4位だった。
32キロ過ぎに先頭集団から後れ始めた設楽は、4位の結果に「全力で行った結果。悔いはない」と淡々。「30キロまでは余裕を持って走れたが、それ以降はしんどくなった。体が思うように動かず、ペースダウンしてしまった」。後半はペースが落ちて「少し楽になるかと思ったけど、全然きつくて…。早く終わんないかなって(思っていた)」と独特の“設楽節”で振り返った。
今年2月の東京マラソンで2時間6分11秒の当時日本記録を出した後、右すねの疲労骨折が判明した。予定していた9月のベルリンマラソンも回避し、調整不足は否めなかったが、それでも日本人2番目の4位。「夏の状況から考えればここまでよく戻ったと思う」と手応えも残る結果だ。
厳しいレースの中でも「沿道ですごく応援してくれて、きつくても背中を押してくれました」と感謝した設楽。前半の給水所では、外国人選手に自身のドリンクボトルを倒され、手に取ることができないアクシデントもあったが、「近くに後輩(東洋大出身の高久龍=ヤクルト)がいたので、ちょうだいと言っていただきました」と報道陣を笑わせた。
優勝した服部については「日本人が優勝してくれてうれしい。これからも戦っていく相手。モチベーションになる」とライバル心も見せる。次戦は、日本記録を塗り替えられた大迫傑も出場を視野に入れる東京マラソン(来年3月3日)を見据える。並み居るライバルたちの中で「まずタイトルを獲りたい」と勝負に徹することになる。