桃田賢斗3年ぶりの日本一 「気持ちの勝負」執念で粘る相手ねじ伏せた

 「バドミントン・全日本総合選手権」(2日、駒沢体育館)

 各種目の決勝が行われ、男子シングルスは世界王者の桃田賢斗(24)=NTT東日本=が、世界ランク9位の西本拳太(トナミ運輸)を2-1で下し、3年ぶり2度目の優勝を果たした。女子シングルスは世界ランク2位の山口茜(21)=再春館製薬所=が、17年世界女王の奥原希望(日本ユニシス)を2-1で退けて2年連続3度目の制覇。同ダブルスは世界ランク1位の福島由紀(25)、広田彩花(24)組(岐阜トリッキーパンダース)が2連覇し、男子ダブルスは園田啓悟、嘉村健士組(トナミ運輸)が2年ぶり3度目の優勝。混合ダブルスは渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)組が2連覇した。

 プレッシャーから解放されると、桃田は膝から崩れ落ちた。「全日本総合の優勝は自分だけのものではない。いろんな方の応援もじかに聞こえるし、自分の中でも自信になる」。3年ぶりの日本一奪還に両拳を握りしめた後、満員の観客に丁寧に頭を下げた。

 「この1年積み上げてきたものを自信を持って出せた」。世界選手権制覇や世界ランク1位など、完全復活どころかキャリアハイとなった今季の集大成。足を動かして粘り強く球を拾い、真骨頂のネットプレーやスマッシュを決めると観客からは拍手とため息が漏れた。

 「技術どうこうじゃなく気持ちの勝負」。最終ゲームまでもつれたものの、執念という最大の武器で粘る相手をねじ伏せた。

 同じタイトルでも初優勝した3年前とは重みが違う。「あの頃は試合に出るのが当たり前、海外大会に出るのが当たり前という甘い自分がいた」。違法賭博による16年4月から1年間の謹慎処分を経て復帰した昨年も、反省して成長した姿を全日本総合で見せようとしたが、気負い過ぎて空回り。準々決勝で敗退し「いろんなことを考えて、自分らしさを出せずに終わってしまった」と唇をかんだ。

 日本の頂点に立たないまま日本代表に復帰した今年。国際舞台では快進撃したが、ずっと心残りがあった。今年も緊張に襲われて序盤は手も足も震えたが、競技復帰に向けて支えてくれた人の顔や、世界の最前線で戦った自負が背中を押した。

 「3年間、いろんな人に支えられた。これからもこの気持ちを忘れず全力で戦いたい」。五輪代表レースが始まる19年へ。真のエースとして出撃準備は整った。

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