貴ノ岩“監視”謹慎 自宅から部屋に呼び寄せ親方「ずっと見ておく」

 大相撲の冬巡業先の福岡県内で付け人の三段目力士を暴行した幕内貴ノ岩(28)=千賀ノ浦=が6日夕方、東京都台東区の同部屋に戻り、そのまま謹慎処分となった。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)の厳しい監督下に置かれ、処分を待つことになる。この日、被害を受けた力士は東京・両国国技館で日本相撲協会の聴取を受けた。加害者・被害者双方の証言内容を精査し、協会は早期に処分を決定する方針で厳罰は避けられない見込みだ。

 5日夕方に暴行が発覚して以降、貴ノ岩が初めて公に姿を見せた。午後5時30分、師匠の千賀ノ浦親方の運転する車で部屋に到着。報道陣の問いかけには一切無言で部屋へと入った。親方は「きょうからこっちで謹慎。僕がずっと見ておかないといけない」と、神妙な口ぶりで語った。

 貴ノ岩は都内にある自宅から同部屋に移り、当面、謹慎生活を送ることになる。親方は「(協会から)厳しく監督するように言われた」と話し、管理下に置き、処分が下るまで反省の日々を過ごす。

 度重なる不祥事を繰り返してきた協会の動きは迅速だった。前日の貴ノ岩に続き、この日は付け人を両国国技館に呼び、約1時間、聞き取り調査した。

 貴ノ岩を聴取した際、付け人が忘れ物について言い訳をしたことが理由で、宿舎のホテルで平手と拳で4、5発殴ったとの説明だったという。付け人は「(けがは)大丈夫。(貴ノ岩の証言内容と)全部同じです」と言葉少なに語り国技館を後にした。今後は双方の証言を精査し処分を決める。

 秋場所後、旧貴乃花部屋が消滅。同部屋の力士を受け入れて以降、千賀ノ浦部屋は“乱気流”のような日々だ。九州場所で貴景勝の優勝に沸けば、今度は暴行。この日朝、部屋の前で報道陣に対応した親方は「貴ノ岩は考えが甘い。残念の一言」と苦悩をにじませた。

 昨年10月、元横綱日馬富士から暴行を受けた被害者の貴ノ岩が加害者となる愚行。10月下旬に八角理事長(元横綱北勝海)自ら「暴力決別宣言」を行った直後と、角界への衝撃は計り知れない。

 芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「早く収束してほしい」とし、早期の処分決定の意向を示した。「事案に立ち向かう人たちの気持ちを踏みにじる。被害者が加害者に回るなど、もってのほか」と断罪。複数場所の出場停止など重い処分が検討されそうだ。

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