宇野昌磨が絶不調2位発進 練習で2日連続転倒…体動かず「試合に行きたくないと」

(左から)SP2位の宇野昌磨、1位のネーサン・チェン、3位のミハル・ブレジナ
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 「フィギュアスケート・GPファイナル」(6日、バンクーバー)

 男子ショートプログラム(SP)は、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が91・67点で2位。92・99点のネーサン・チェン(米国)が首位発進した。

 演技を終えるとわずかに天を仰ぎ、ため息が漏れた。よく粘ったとねぎらう自分がいる一方で、こんなはずではないと嘆く自分もいる。「過去にないほど調子が悪く、自分でも驚いた」。冒頭の4回転フリップで体勢を崩した宇野が、苦しい2位発進となった。

 想定外の事態だった。日本での練習は極めて順調。「たくさん練習し、調子も上げ、プログラムの完成度も上がってきた」。しかし、その期待感は試合直前に一変した。

 朝の公式練習の曲かけで4回転トーループを転倒。日本ではほぼミスなく跳べていたにもかかわらず、前日の曲かけ練習から続けての転倒だった。嫌なイメージが頭を埋めた。わずかに狂った歯車は演技直前の6分間練習でもかみ合わないまま。気付けば自信はどこかへ消えていった。「試合に久々に行きたくないと思いながら練習が終わり…。自分の番までそういう気持ちだった」。切れた気持ちは戻らなかった。

 ただ逃げるのは嫌。「粘りきった。今日の中では耐えた」。離れる気持ちを必死につないでリンクに立ち、ホッと胸をなで下ろした。首位チェンとは1・32点差。昨年は0・50点差で敗れているだけに「切り替えて、フリーではいい演技をしたい」。初タイトルへ、もう一度気持ちを立て直す。

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