紀平、北京五輪金プラン明かした 21日開幕の全日本Vのち4回転再挑戦へ
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子で、GPデビューシーズンでの優勝を成し遂げた紀平梨花(16)=関大KFSC=が一夜明けた9日、バンクーバーで、22年北京五輪での金メダルへ向け、全日本選手権(21~24日、大阪)後にも4回転トーループの練習を再開すると明かした。この日はエキシビションが行われ、日本からは紀平のほか、女子4位の坂本花織(18)=シスメックス、6位の宮原知子(20)=関大、男子2位の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=の4人が出演した。
演技直後にあふれた喜びは少し冷めてしまったが、それはあくまでここが通過点だと認識しているから。優勝から一夜明け、紀平は目標である北京五輪での金メダルへ「どういう時代が来るか分からないので、練習するだけしておきたい」と、4回転時代をも予測し練習を重ねると誓った。
4回転トーループについては「全日本後からまた練習を再開します」。初優勝がかかる全日本選手権後に練習を再開し、さらに技術を磨くつもりだ。
理想のプログラムを100とすると、今はまだ「80%」という。「(五輪優勝という)大きな目標を達成できる自信がないので、もっと先に先にいっておかないといけないかなと思う」。時代の先端こそ、4回転だ。
練習ではジュニア時代に4回転サルコーをとんだが、今夏はトーループの練習に専念。しかし、試合期間に入ったため、プログラムの完成度を高めることに重点を置き練習を中断している。
トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を演技に入れ始めた頃も「ほかが全然安定しないときがあった」と紀平。4回転を入れることで演技全体のバランスが崩れるのは避けたい。長期的な視野を持ってプログラムに組み込んでいく。
スケートを始めた頃、「4年に1回の1番の戦いなんだ」と感じ、夢見たのが五輪だった。北京五輪へ、あと3年以上ある道のり。まずは次戦の全日本選手権に照準を合わせる。「今年を締めくくる大事な試合だと思う。自分の完璧な演技をして笑顔で終われるようにしたい」。まずは全日本女王の称号をつかみにいく。