関学大・鳥内監督、主将を「助けてやれ」関学2年ぶりV、甲子園ボウル
「アメフット・甲子園ボウル、関学大37-20早大」(16日、甲子園球場)
西日本代表の関学大(関西)が東日本代表の早大(関東)を37-20で下し、2年ぶりに最多優勝回数を更新する29度目の制覇を果たした。日大との悪質タックル問題で被害を受けたQB奥野耕世(2年)が年間最優秀選手(ミルズ杯)と甲子園ボウル最優秀選手の2冠を手にした。関学大は来年1月3日の日本選手権、ライスボウルで社会人王者と対戦する。
関学大の鳥内秀晃監督は「去年は僕自身に気の緩みがあった。気持ちを引き締めることができなかった」と日大に敗れた昨年を反省。今年は「自分たちの力が出せないで負けることは一番後悔する。自分のやることをしっかりやるしかない」と鼓舞して臨んだ。
「春先はここまで来られると思えない状態だった」というチームに、日大との「悪質タックル問題」という試練が重なった。選手には「問題の対応は大人たちがする」と競技に集中させてきた。
それでも、波乱のシーズンを率いた主将のQB光藤航哉(4年)は「(関学大として)68年ぶり(主将とQBの兼任)ということもあり、大変やったと思う」とその苦労を思いやる。11月のリーグ戦中には「4年生が我関せずに見えた」と言い、「光藤を助けてやれという話をした」と言う。以降は4年生が一丸となってチームを率いてきた。
その攻撃力から「0で抑えるのは難しい」と警戒していた相手に「終始われわれのリズムでできた。思いのほか、ディフェンスラインが頑張ってくれた」。紆余(うよ)曲折を経て成長した教え子たちに、指揮官の感慨もひとしおだった。