最年少Vの張本、愛さんとの交流きっかけに五輪の「金」を意識
「卓球・グランドファイナル」(16日、仁川)
各種目の決勝が行われ、男子シングルスで世界ランキング5位の張本智和(15)=エリートアカデミー=が同4位の林高遠(中国)を4-1で破り、初の頂点に輝いた。15歳172日での優勝は、男女シングルスで大会史上最年少。日本選手の男子シングルス制覇は2014年の水谷隼(木下グループ)以来3度目。張本は第2ゲームを取られて1-1となったが、その後3ゲームを連取した。
張本はワールドツアーやTリーグにも参戦し、最近はイベントやCMにも出演するなど多忙を極めている。それでも泣き言は聞いたことがない。「練習も大事だけど、卓球が好きな人が増えてほしい」と卓球界を代表する自覚も芽生え始めた。
五輪での金メダルを強く意識したきっかけの1つは、10月に引退した福原愛さんの存在だ。同郷の仙台市出身という縁もあり、12年ロンドン五輪直後の愛ちゃんが、たまたま通っていた小学校を訪問。実際にメダルを触らせてもらい、「これが五輪のメダルなんだと。初めて見たので感動した」と、その重みを覚えているという。
卓球人気を押し上げた福原さんの意思を引き継ぐ覚悟だが、張本は自身が1番“目立つ”方法をよく知っている。「自分は試合で勝って注目を集めたい」。最年少V記録をこれでもかと並び立てた天才少年の次なる目標は、来年の世界選手権V。そして東京五輪の金メダルしかない。