「フィギュアスケート・全日本選手権」（２１日、東和薬品ラクタブドーム）

　２２日の男子ショートプログラム（ＳＰ）を控え、公式練習が行われた。５年ぶりの全日本に臨む高橋大輔（３２）＝関大ＫＦＳＣ＝は、この日も４回転トーループに成功。上々の形で前日の調整を終えた。練習終盤は４回転を入念に調整。ステップアウトや転倒もありながら、最後の最後に美しい１本を決めた。

　今夏に４年ぶりの現役復帰を発表。目標として全日本の最終グループでの滑走を掲げ、ジャンプも１から組み直してきた。度重なる怪我もしてきた中で、光明もあった。「怪我もしながらの中で、自分の体がどう動くかをより一層理解できている。気持ちもストレスフリーですし」と、より自分を知ることができた。

　ジャンプや、かつて“世界一”と称されたステップや、４年前よりも質を上げられた手応えがある。２０日に４回転トーループに成功した際には「そうですね。動画を見たら、めっちゃよくて自分でもびっくりしてます。４、５年前に跳んでいた４回転よりも上手くなってる。ジャンプのスキルは全体的に上がったと思う」と、胸を張った。

　２２日、いよいよ日本一を決める舞台に高橋大輔が帰ってくる。「今季はここを目標にやってきたので、できることを精一杯やりたい。それに結果がついてくれば」。日本中の視線が注がれる銀盤を熱く焦がす。